体臭で悩む我々にとって、香水によるマスキングや一時的な消臭スプレーではなく、やはり身体の中から体臭を改善したいところだ。
最近、雑誌やTVCM、スポーツ選手の飲料水などで注目を浴びながら一部で胡散臭いとも言われて何かと話題の水素水だが、なぜそこまで注目を集めているのだろうか?
今回は水素水とは何なのか?また、水素水を飲むことで体臭が改善されるかどうかを検証してみたい思う。
水素水とは?
まず始めに水素水とは一体どのようなものなのか?
簡単に言ってしまえば水に圧力をかけて水素を溶け込ませた水素入りの水のことだ。
水素は最も軽く小さな拡散性のある原子。原子の中でも活性度が高く、酸素と結合しても水しか放出しない。単原子上の水素を活性水素といい、これを体内に取り入れるのだ。
人間が呼吸するとき、吸い込んだ酸素の98%は有効に活用されるが、残り2%は活性酸素という毒素に変わってしまう。この毒素が体内の細胞を酸化させて錆になり、老化の促進や病気の原因となったりするのだ。
体を錆びつかせる活性酸素とは?
皮膚の表面にある皮脂などの脂質が、毒素である活性酸素によって酸化されると「9-ヘキサデセン酸」という物質になり、この過酸化脂質が、皮脂腺で他の化合物と結びついて再び酸化したり、細菌によって分解されると、「ノネナール」という臭い物質になってしまう。
このノネナールが嫌な臭いの原因。つまり、体臭が発生するのだ。
(1)呼吸で入った酸素の2%が活性酸素に
体内に入る酸素の約2%は「活性酸素」に変質する。さらにタバコ、飲酒、ストレス、紫外線、食品添加物などによってその数値が上がっていく。
(2)大量の活性酸素が血管を傷つける
少量の活性酸素であれば、高酸化酵素によって無害となるが、大量だとその酵素も効き目がなく、悪玉の活性酸素になってしまう。そしてその活性酸素が血管を傷つけてしまうのだ。
(3)糖尿病、動脈硬化など生活習慣病の原因に
活性酸素により生体が正常に機能しなくなることが「酸化」。シミやシワといった老化現象から糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病、果てはガンの原因になってしまう。
体臭と水素水の関係
活性酸素を除去することで酸化を抑える作用のある活性水素は、酸化が原因となって発生する体臭に強い効果を発揮すると考えられている。それはなぜか?
一般的に体臭の主な原因は、汗による割合が大きい。しかし、すべての汗が臭いわけではない。水のようにサラサラとしたエクリン腺からの汗は、蒸発しやすく体臭になりにくいのだ。
もうひとつのアポクリン汗腺から出る汗は、体臭の原因となりにくい。アポクリン汗腺からの汗に含まれる成分が空気中の菌によって分解されることや、また、アポクリン汗腺と一緒に毛穴から分泌される皮脂が空気中で汗に含まれる鉄イオンによって酸化されることで臭いが発生する。
そのため、アポクリン腺からの汗の成分によって皮脂が酸化することで発生する臭いに対し、水素は効果を発揮すると考えられている。
活性水素の驚くべき力
水素水は人間が呼吸するだけで生まれる活性酸素に有効なのだが、なにも体臭だけが改善されるわけではない。
活性酸素が原因となるあらゆる病気に対して、水素水は有効だとされている。
では具体的に水素水はどのような病気に効くのだろうか?
還元水素水研究の第一人者で水素水を長年研究されている九州大学の白畑實隆教授のコメントを参考にご紹介しよう。
(1)アレルギー
免疫細胞は、体内に侵入してきたウィルスや異物に対して、活性酸素を放出して攻撃し、感染症などから体を守っています。ところが、こうした外敵を攻撃するときに、花粉などの本来攻撃する必要のない アレルゲンに反応し、毒性のある活性酸素を過剰に放出してしまうのです。 そして、この活性酸素が周囲の正常な細胞を傷つけてしまうことがあり、これがアレルギー症状です。しかしこの際、体内に活性水素があれば、過剰に放出された活性酸素と結び付いて、無害な水に変えることで、アレルギーの症状を抑えることができるといいます。
(2)糖尿病
糖尿病は、すい臓で造られるインスリンというホルモンによって、血液中の糖分が 細胞に摂り込まれるはずが、インスリンが正常に機能しなくなることで、あるいは、糖分を受け取る受容体が異常をきたすことによって起こります。 実はインスリンを分泌するすい臓の細胞や受容体は、活性酸素の攻撃に弱く、障害を受けやすいのです。 そのため、活性水素によって活性酸素が無害な水に変化すると、インスリンや受容体が正常に機能し、糖尿病の症状が改善すると考えられています。
(3)高血圧
活性酸素が、体内の不飽和脂肪酸と結び付くと、どろどろとした過酸化脂質に変化し、動脈硬化が始まります。これが血管内の壁にこびり付き、その結果、血液がスムーズに 流れない、高血圧となります。しかし、活性水素がこの活性酸素と結び付き、無害な水に変えることで、不飽和脂肪酸が活性酸素と結合し過酸化脂質になるのを防ぐことができると考えられています。
水素水を選ぶときのポイント
ではその水素水を飲んでみたいとき、どのようにして選べばよいのだろうか?
様々な企業からアルミパウチ・缶タイプの水素水や水素水生成器が販売されているが、それらの商品を選ぶときの基準についてヘルスケア大学で連載を持たれている表参道首藤クリニック院長の首藤紳介先生が下記のように書かれているのでご紹介しよう。
(1)水素濃度が表示されている水素水を選ぶ
水素水に含まれる水素濃度については、その数値が厳密に定義されているわけではありません。したがって、さまざまな水素濃度の水素水が販売されていることに気づくでしょう。
中には水素濃度を表示していないものもあるようですが、なるべく表示されているものを選ぶことをオススメします。
(2)目安は1.57ppm
水素は高い圧力をかけることで水の中にいくらでも溶けますので、非常に高い濃度の水素水を製造することも可能です。しかし、高圧をかけた高濃度の水素水であっても、圧力をかけた直後でない限り、時間の経過とともに常気圧の状態に戻ります。
また、容器のフタを開けた瞬間に1.57ppm以上の水素はすぐに逃げてしまいます。そのため、水素濃度は常気圧の限界値である1.57ppmがあれば、十分な濃度と言えるでしょう。
(3)それ以上の高濃度水素水について
1.57ppm以上の高濃度が特徴の水素水もあります。その多くは、スティックタイプのものや高圧で水素ガスを溶け込ませるタイプのものですが、やはりこれらも時間の経過とともに水素が抜けてしまい、1.57ppmに下がります。家庭で飲む水素水は1.0ppm程度の水素濃度で十分という説もあります。
製造時だけの濃度だけでなく、飲む直前の濃度のことも考えると、水素水選びも変わってくると思います。
via 水素水って何? | ヘルスケア大学
水素水選びのポイントは水素濃度とその値ということだ。
さらに水素はその特性から、空気上に抜け出してしまいやすいので、なるべく密閉されたものがよいとされている。
自分で作れる?水素水のレシピ
さらに、水素水を飲んでみたいと思ったとき、市販されている水素水を購入するのも良いが自分で水素水を作ることも可能だ。
自分で水素水を作ることができれば、買い置きを心配することなく、いつでも水素水を飲むことができるし、長期的に飲み続ける場合はコストメリットも大きいだろう。
マグネシウムスティックによる水素水生成法
(1)作り方
化学反応を利用して水素水を作るのが、マグネシウムスティックを使った方法。
マグネシウムだけを買うことは難しい。マグネシウムを含んだセラミックスをスティックタイプにした製品が販売されている。そのマグネシウムスティックを家庭の水道水と一緒にペットボトルに入れておくだけで水素水を作ることができるのでぜひチェックしてみてほしい。
(2)マグネシウムスティックの注意点
マグネシウムスティックの場合、マグネシウムの濃度を注意しよう。
飲用で使うものなので、なるべく純度の高いマグネシウムを使いたいところだ。また、マグネシウムスティックで水素水を作り続けると、次第に小さくなっていくため、含有量はなるべく多いほうが長持ちすると言えるだろう。
もう1点注意したいのは、容器内に空気があると、その空気中に水素が逃げてしまう。水をこまめに継ぎ足し、余分な空気を残さないようにすることがコツなのだ。
水素水サーバー/水素水生成器による水素水生成法
(1)作り方
水素水サーバーや水素水生成器は、電圧によって水が電気分解を起こし、その際に発生する水素を利用する仕組みとなっている。こうした電気分解によって発生する水素は、粒子は小さく酸素と結合しやすいのが特徴だ。
また、水素水サーバーや水素水生成器を使用した場合は、マグネシウムスティックとは違って不純物や化合物が残らない水素水を作ることができる。
(2)水素水サーバー/水素水生成器の注意点
水素水サーバーや水素水生成器の値段は、幅はあるものの10万~20万くらいの商品が多いので、買うとなれば十分に検討したいところ。また、定期的なカートリッジ交換が必要なので、維持費も発生することを考慮しよう。
まとめ
いかがだっただろうか?
水素水は体臭改善だけでなく、身体の錆から生まれる病気すべてに対して良い働きをしてくれるようだ。
さらに水素水を選ぶポイントとして、約1.6ppm以上の水素は抜けてしまうので、目安としてはその程度の水素濃度で良いということになる。いま話題の水素水だが、様々なメーカーから販売されているので一度試してみてはいかがだろう?